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基礎知識 独り言

無価値のAT1債が買い漁られている件

先日、破綻の危機に直面していたクレディスイスがUBSに買収されましたが、この時、クレディスイスが発行するAT1債が無価値になりましが、この無価値になったAT1債を買いあさっているヘッジファンドがいると言われています。このようなヘッジファンドの動きは、正直不気味だと思うので、今回はクレディスイスのAT1債を買い漁っているヘッジファンドが何をしているのかを解説したいと思います。


ファンドの種類

一般的に、マーケットが暴落したり変な動きをすると、ヘッジファンドが悪さをしているとか言われます。こういう時、ファンド全て一括りで語られますが、ヘッジファンドにも色々と種類があって、やっている事は全然違います。

では、どういう種類のファンドがあるのかと言うと、最も一般的なファンドは、マクロ系ヘッジファンドと言われる種類のヘッジファンドです。このマクロ系ヘッジファンドと言うのは、マクロと名のつく通り、マクロ経済の大きな動きの中でチャンスがあれば色々な金融商品に投資をするファンドです。株や債券のほか、為替金や原油などのコモディティと言われる物や、あらゆるものが投資対象になり、場合によっては空売りすることもあります。

このマクロ系ヘッジファンドの次くらいに有名なのが、アービトラージ系ヘッジファンドです。アービトラージ戦略というのは、例えば現物債権と、債権先物の間で、大きな価格差が生じてい場合などに、その価格差が収束する事にかける戦略です。例えば、今回のシリコンバレーバンクの破綻のように、保有していた債券を、安くてもいいから投げ売りをする投資家が現れます。こうした時に、例えば10年国債と10年国債の先物で、大きな価格差が生じる場合、安くなった方を買って、高くなった方を空売りする事で利益を得ます。簡単に言うと、市場で間違った価格で取引されている類似商品を見つけて、その間違いが修正されることにお金をかけます。逆に言うと、アービトラージュ戦略を行うヘッジファンドがいると、市場で間違った価格で取引される機会が減り、市場の効率性が高まると言われています。ですが最近は、長い低金利環境など、中央銀行の過度な金融緩和で、金融市場が歪められた事によって、アービトラージ戦略が機能しない場合が多く、このようなファンドは減りつつあります。

この他のヘッジファンドの戦略として、イベントドリブン戦略というのがあります。イベントドリブンの中にはM&Aアービトラージ戦略ディストレスト戦略などがあります。先ずはM&Aアービトラジ戦略についてですが、企業買収や合併などが行われる時に、いくらで買収しますよと、買収する側が提示している価格と、買収される側の会社の株が市場で取引されている価格の差から利益を得る戦略です。一方、ディストレスト戦略というのは、経営破綻や経営不振にある会社の債権や株を、非常に安い値段で買って、いろいろな手法で価値を高めてから売却するという戦略です。



不穏な動きの正体

今回、クレディスイスのAT1債を買い漁っているのは、ディストレスト戦略を行っているヘッジファンドと見られています。このディストレスト戦略では、破綻企業の株や債権を買って事業の再生やリストラなどを行って、企業価値を回復させてから株や債権を売却するという戦略が取られる場合が多いですですが、今回、完全に無価値になっているクレディスイスのAT1債は、UBSに買収されているので、クレディスイスからお金を受け取ることはできません。

では、クレディスイスのAT1債を買って、どうやって利益を得るのかですが、おそらくAT1債の債権者として、UBSに損害賠償を求めて利益を得ようと狙っているんじゃないかと思われています。実際に裁判で勝てるかは分かりませんが、彼らは勝算があると見て、このクレディスイスのAT1債を買い漁っているとみられています。

一方、3月10日に破綻しましたシリコンバレー銀行の債券や、3月12日に破綻しましたシグネチャーバンクの債券についても、一部のヘッジファンドが買い漁っていたと言われていて、同じようにディストレスト戦略ファンドが動いていたんじゃないかと思われています。

マーケットでは、今回説明したように、様々なヘッジバンドが動いているという事を知っておくといいかもしれません。






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