移動平均線は、最もメジャーなインジケーターで、様々なインジケーターの大元となっている、とても重要なインジケーターです。
ですが、移動平均線が何を意味しているのか、今一つ分かっていない人も多く、
「何本出せばいいの?」
「パラメーターはどうしたら良いの?」
という声をよく耳にします。
なので、今回は、知っておいたほうが良い事を簡単に②つにまとめました。
①ロウソク足と移動平均線の位置関係について。
②移動平均線の方向について。
①ろうそく足と移動平均線の位置関係
まず初めに、ろうそく足についてのおさらいですが、ろうそく足は、売買を見やすい形で記録した物です。
移動平均線の根幹となるもので、一定の期間内の、始まりの価格、終わりの価格、最高値、最安値を表しています。
※ロウソク足について詳しく知りたい方は▼をご覧ください。
移動平均線は、売買が行われた価格の平均をグラフ化したものです。
売り手の平均であり、買い手の平均でもあります。
しかし、この平均値から、ろうそく足が大きく乖離する場合があります。

この様な状態の時と言うのは、売り手は含み損が膨らみ、不安な状態になります。
一方で、買い手側は含み益が膨らみ、かなり強気になります。
売り手は、膨らみ続ける含み損を、いつまでも抱えたままにしておけないので、手放す人が出始めます。
そして、ポジションを手放すと言う事は、売りポジションを買い戻す事になるので、否が応にも買い勢力に加担する事になります。
そうすることで、勢力が買いに傾き、それを傍観していた新規のトレーダー達も、優勢な買い勢力に参入し、さらに勢いを増します。
それが、移動平均線から、ろうそく足が乖離する時に起こっている事です。
ところが、移動平均線から大きく乖離すると、今度は、買い勢力の利確が入り始めます。
利確をすると言う事は、買いポジションを売る事になるので、買いの勢いは弱まります。
また、高値で買いたくないのが人の心理なので、買い渋りが起こります。
新規勢の参入が減り、さらに勢いが弱まります。
例えるなら、転売屋に吊り上げられた価格で商品を買うのは嫌ですよね。
出来る事なら相応の値段で買いたいと思うのが一般的だと思います。
その指標となりえるのが移動平均線です。売り手と買い手、双方の需要の平均値です。
これが①の、「ろうそく足と移動平均線の位置関係」です。
②移動平均線の方向
次に、移動平均線の方向についてです。
この図はUSD/JPYのチャートです。

この様に、移動平均線が右肩上がりの場合、USDの需要が高く、値段が高くても、継続して買われ続けている状況を表します。
分かりやすく言うと、一昨日よりも昨日、昨日よりも今日と、高い価格で取引されてきたので、移動平均線が上昇しています。
そして、人の心理と言う物は、今起きている事は、今後も起こるだろうと考えます。
「二度あることは三度ある」と言うことわざが古くからあるように、二度あったから三度目は無いだろうと考える人よりも、二度あったから三度目もあるだろうと考える人の方が多くなります。
これは、人の生存本能、危機管理能力として、DNAに備わっている感覚なので、移動平均線が上昇している最中に売りを入れるのは大変危険で、逆張りで利益を残すのが難しいと言われるのは、このような理由からです。
なので、移動平均線が上昇している時は、ろうそく足が移動平均線に近づくのを待って、順張りで狙う方が良いと、一般的に言われています。
どうしても逆張りで狙いたい場合は、Wトップや三尊のネック割れを確認してから入るようにした方が良いと思います。
最期に
どうでしたか?移動平均線一つで、市場参加者の心理や行動を読み解くことが可能です。
パーフェクトオーダー、ゴールデンクロス、デッドクロスだけでなく、市場参加者の気持ちを考えながらチャートを見ることで、精度が格段に上がると思います。
冒頭にも言いましたが、移動平均線は、多くのインジケーターの大元となるインジケーターです。
移動平均線を知らずに、インジケーターは語れません。
何を示す指標なのか、計算式や、見ている人の心理なども考えながら、トレードと向き合ってもらえたら幸いです。